お金に困らないための〜税金の相続対策
お金に困らないための〜税金の相続対策
文書作成日:2019/05/05


 相続人が一定の障害者であるときは、相続税を計算する上での優遇措置、「障害者控除」の適用を受けることができます。




 夫が1月に亡くなりました。相続人は私と長女、長男の3人です。長男(25歳6ヶ月)は身体障害者手帳3級を保有しているのですが、財産を相続する場合の相続税の優遇などはあるのでしょうか?




 一定の要件に該当する障害者については、相続税額から“障害者控除額”を控除することができます。この“障害者控除額”は障害者本人の相続税額から控除しますが、控除しきれない場合はその控除しきれない額を、その障害者の扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。



1.障害者控除とは

 相続等により財産を取得した者が85歳未満の障害者である場合には、計算されたその者の相続税額から、「障害者控除」として一定の控除額(下記3.の控除額)を控除することができます。


2.適用対象者

 障害者控除を適用するには、次の要件すべてに該当する必要があります。

  1. @ 相続等により財産を取得していること
  2. A 相続発生時に日本国内に住所があること
  3. B 85歳未満であり、相続発生時に障害者であること
  4. C 法定相続人であること

3.控除額

 次の障害者の区分に応じてそれぞれ次の算式で計算した金額を、“障害者控除額”として控除します。

特別障害者:20万円×85歳に達するまでの年数
一般障害者:10万円×85歳に達するまでの年数

4.主な障害者区分

 対象となる者が、特別障害者又は一般障害者のいずれに該当するかは、主に次の区分に応じてそれぞれ判断します。

区分 特別障害者 一般障害者
@身体障害者手帳 1級又は2級 3〜6級
A精神障害者保健福祉手帳 1級 2級又は3級
B認定施設・指定医の判定 重度の知的障害者 重度の知的障害者以外の知的障害者
C精神又は身体に障害のある65歳以上の者 @又はBに準ずる者として市町村等の認定を受けた者 @又はBに準ずる者として市町村等の認定を受けた者
D常に就床を要し、複雑な介護を要する者 @又はBに準ずる者として市町村等の認定を受けた者 @又はBに準ずる者として市町村等の認定を受けた者

5ご相談の場合

 ご相談の場合には、ご長男は障害者手帳3級を保有されているとのことですので、一般障害者に該当します。
 現在25歳6ヶ月ですので、満85歳になるまでの年数は【85歳−25歳6ヶ月=60年(※1)】となり、障害者控除額は、【10万円×60年=600万円】となります。

 なお、障害者控除額が障害者本人の納付すべき相続税額を超え、控除しきれない場合には、その控除しきれない部分は、他の扶養義務者(※2)の相続税額から控除することができます。

  1. (※1)その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年として計算します。
  2. (※2)相続税法に規定する扶養義務者とは、配偶者、親・子などの直系血族、兄弟姉妹の他、3親等内の親族で生計を一にする者などをいいます。


<参考>
 相法1の2、相法19の4、相令4の4、相基通1の2-1、相基通19の4-1、相基通19の4-2、民法877、国税庁HP「4167 障害者の税額控除」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
お問合せ
志賀暎功税理士事務所
〒113-0023
東京都文京区向丘2-36-9-401
TEL:03-5832-9941
FAX:03-5832-9942